郝龍斌台北市長は18日、今年末の開通を目指しているMRT信義線開通後の運行形態を発表した。信義線は中正紀念堂から淡水線に乗り入れ、北投へ直通運転する。また淡水線淡水-新店線新店間の直通列車は信義線開通後も維持され、新たに新店線台電大楼-西門間を結ぶ区間車が登場する。
MRT信義線は中正紀念堂から東門、101/世界貿易センターを経由し、象山を結ぶ新路線。2005年から建設が続けられていた。今年1月には郝市長が今年末の開業を宣言し、開通後の運行形態に関心が寄せられていた。と言うのも、昨年9月に新荘線忠孝新生-古亭間が開通した際、開通後10年以上に渡って続けられていた中和線と淡水線の直通運転が中止され、中和線は新荘線、蘆州線(新蘆線)との直通運転に切り替わった。この事で、中和線-淡水線間の利用者は古亭での乗換えを余儀なくされることとなり、一部で不満の声があがっていたからだ。
本来は現在直通運転が行なわれている淡水線-新店線についても、信義線開通後は直通運転を中止し、淡水線は信義線と、新店線は今後開通が予定される松山線との直通運転に切り替わる予定であった。しかし、やはり高まる不満の声を受けて、台北MRTは1月の時点でも、「運行効率と利用客の乗車習慣を考慮した上で、早ければ6月には正式決定したい」と、運行形態の最終決定を先延ばしにしていた。そこで発表されたのが、今回の運行形態である。
現在、淡水線と新店線は一部時間帯を除いて淡水-新店の全区間を結ぶ列車と、北投-台電大楼間を結ぶ区間車が交互に運転されている。信義線開通後は、淡水-新店間の運行は維持され、北投からの列車が信義線象山へ乗り入れることになる。さらに、現状では小南門支線として西門-中正紀念堂間で折返し運転を行なっていた列車が西門-台電大楼間での運転となり、利便性が向上する。
また信義線は台北駅-101/世界貿易センター間を最速11分で結び、中正紀念堂で新店線と、東門で中和新蘆線、大安で文山内湖線(文湖線)と乗換えが可能になる。これによって、台北市内を東西に横断する唯一のMRT路線であり、慢性的な混雑が続いている板南線の混雑緩和も期待されている。また、信義線、板南線どちらかの運行に支障が生じた際には、振り替え輸送路線としても機能することから、影響を最小限に抑えることが可能となる。
新店線公館駅を利用していると言う男性は「(信義線開通後は)乗り換えしなきゃいけないと思っていたから安心した。101や映画館へも、今まではバスか市政府駅から歩いていたけど、近くなって便利になる」と歓迎ムード。1月には「(信義線は)東西を結ぶ二番目の幹線になり、信義線に乗って市政府の年越しイベントに参加できる」と自信たっぷりにコメントした郝市長。食事や買い物、観光にと、利便性の高い新路線の開通はもうすぐだ。